高い美白効果を持つものとして思い浮かべるのはハイドロキノン、ビタミンC誘導体ではないでしょうか。この2つにはできてしまったメラニンを薄くできる還元作用があります。
他にも、トラネキサム酸、コウジ酸、ルシノール、プラセンタなども美白成分としてよく知られています。
そして、これら全ての中でも、美白効果だけに注目するなら、肌の漂白剤とも呼ばれるハイドロキノンが一番だと思っていました。
ところが、ハイドロキノンの2,100倍もの美白効果を持つ成分があるというから驚きです。
その成分の名は、「フェニルエチルレゾルシノール」(シムホワイト377)といいます。
美白成分「フェニルエチルレゾルシノール」(シムホワイト377)とは
フェニルエチルレゾルシノール(シムホワイト377)はヨーロッパアカマツ(常緑針葉樹)に含まれている、「ピノシルビン」というポリフェノール成分をもとに開発された美白成分です。
そして驚くべきはその美白効果(メラニン生成抑制効果)で、
- ハイドロキノンの2,100倍
- アルブチンの7,000倍
- コウジ酸2,400倍
- アスコルビン酸Na(ビタミンC誘導体)の2,400倍
となっています。これが本当なら、間違いなくナンバーワンの美白成分といえるでしょう。
フェニルエチルレゾルシノールの美白効果とは
現在、シミ対策ができる美白ケア用の化粧品のほとんどは、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えることを目的としています。
肌に紫外線が当たると、防衛反応として肌細胞にメラニンが植え付けられ、これが肌の下の方から上の方へと上がっていって、最後は死んで角質となり、やがて剥がれ落ちます。
美白化粧品を使うことで、紫外線が当たってもメラニン色素が作られにくくすることができます。また、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促して、できてしまったメラニンが排出されるのをサポートする働きを持つものもあります。
いずれにしても美白化粧品の効果は、メラニンの生成を抑制することによるシミの予防にとどまっています。肌が白くなるかどうかはターンオーバーにゆだねられており、いわば待っているだけの状態。もちろん、もともと色黒の人が美白化粧品によって色白になることはありません。
そして、フェニルエチルレゾルシノールに関しても、根本的な美白効果はこれと同様です。ただ、メラニンの生成を抑制する効果が極端に高いのです。
フェニルエチルレゾルシノールの美白効果を証明する実験
試験管が並ぶ冒頭の画像は、フェニルエチルレゾルシノールの美白効果に関する実験の模様です。
チロシンにチロシナーゼを添加すると、メラニンの前駆体ドーパクロムが作られて溶液が黒くなっていきます。
しかし、ここに美白成分を入れることで、溶液の濁り具合は変化します。美白成分はチロシナーゼの活性を抑制することができるので、ある程度溶液の透明度を保つことができるのです。
そして、このとき、どれくらい透明度を保てるかによって、その美白成分が持つチロシナーゼ活性阻害の度合い、つまりメラニン生成抑制効果の強さを図ることができます。
実験に用いられた美白成分の中で、フェニルエチルレゾルシノールを加えた溶液の透明度はずば抜けていました。フェニルエチルレゾルシノールの溶液だけがほぼ透明だったのです。
このことから、フェニルエチルレゾルシノールを配合した化粧品を使うことで、紫外線を浴びたときのメラニンの生成が抑えられ、シミ予防につながることが期待できるといえます。
ハイドロキノンの2,100倍は信じていいの?
それにしてもハイドロキノンの2,100倍というのはスゴイ数字です。
ハイドロキノンはその強力な美白効果ゆえに、副作用のリスクも心配されている成分です。肌が部分的に白くなってしまう白斑の副作用の可能性が指摘されています。
これだけ強い美白効果があるにもかかわらず、国内大手化粧品メーカーがどこもハイドロキノンを採用していないのは、副作用リスクを回避するためとも言われています。
そのハイドロキノンの2,100倍?
何か数字のトリックがありそうですよね。
恐らく、この数字は上で紹介した実験をもとにしているのでしょう。実験で証明されたのはチロシナーゼ活性阻害という働きでした。
チロシナーゼ活性阻害という働きは、確かに大部分の美白成分のシミ予防効果の根拠となるものです。しかし、厳密に言うと、美白効果にはこの他にもメラニン還元作用や角質代謝促進などもあります。
実験が証明したのは、フェニルエチルレゾルシノールがチロシナーゼ活性阻害のナンバーワンであること(それだけでもスゴイのですが)。メラニン還元作用や角質代謝促進などを含む、全ての美白効果を加味したときの総合的なナンバーワンではないと思われます。
そもそもビタミンC誘導体とハイドロキノンがなぜ強力なのかといえば、メラニン還元作用があるからです。この部分を考慮に入れず、メラニン生成抑制効果だけを見ていたとするなら、この実験によって美白成分のナンバーワンは決められないことになります。
総合的な美白効果で比較したら、ハイドロキノンの2,100倍、ビタミンC誘導体の2,400倍といった大差は開かないのではないでしょうか。
以上から、フェニルエチルレゾルシノールについては、あくまでもシミ予防(メラニン生成抑制効果)に関する、理論上のナンバーワンだと考えておくのがよさそうです。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000378.000002961.html